西崎病院ブログ

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糖尿病・健康長寿教室シリーズ 尿たんぱく検査(透析予防)

(患者、スタッフ向け)分かりやすく説明するために、やや科学的でない表現もあります。 腎臓は、血液をろ過して、いらない物を尿として出す大事な臓器です。腎臓が悪くなると、尿毒症といって身体に毒がたまり、最終的には死んでしまいます。糖尿病の合併症… 続く

(患者、スタッフ向け)分かりやすく説明するために、やや科学的でない表現もあります。

腎臓は、血液をろ過して、いらない物を尿として出す大事な臓器です。腎臓が悪くなると、尿毒症といって身体に毒がたまり、最終的には死んでしまいます。糖尿病の合併症として腎症があります。あまり自覚症状がなく、気づいたときは透析寸前まで腎障害が進んでいることもあるので、定期的なチェックが必要です。
糖尿病や高血圧、肥満で腎臓は壊れていきますが、今壊れているかどうか簡単にわかる検査があります。それが尿たんぱく検査です。

尿たんぱく:腎臓が壊れていると(+)になる。壊れるのが止まれば(-)になる。

厳密には壊れていても(-)になることも、その逆もありますが、簡単に安くできる検査として広く使われています。
まずは、尿たんぱくが(-)になることを目指しましょう。

尿たんぱくが(-)の人でも、隠れ尿たんぱくが出ている人がいます

尿たんぱくが少ししか出ていない人は、ふつうの尿検査では(-)になります。
しかし、微量アルブミンというものを検査すると、少ない尿たんぱくでも検出できます。微量アルブミンが出ている人は、腎臓が壊れ始めた事を表していることが分かっており、糖尿病腎症2期と言われます。当院では、「尿アルブミン/Cre補正」が30以上で、微量アルブミンが出ている事になります。

尿アルブミン/Cre補正:30mg/mg・Cre以上で、糖尿病腎症2期。

アルブミン比が30以上の人は、それ以下を目指しましょう。

腎臓を守るには、やはり
①血圧120台、②禁煙、③血糖(HbA1c7%未満)、④肥満の解消、が大事!!

補足
eGFR:(推定糸球体ろ過量)腎臓でろ過器の役割をする糸球体の推定ろ過能力。
尿たんぱく、微量アルブミン:腎臓の糸球体が壊れると、出てくる。

尿たんぱくや微量アルブミン:腎臓が今現在壊れているかどうかを見る。
eGFRやシスタチンC:腎臓の性能を見る。
⇒尿たんぱくがずっと陽性であれば、eGFRはだんだん低下していく。
逆に、尿たんぱくが陰性になれば、eGFRの低下は止まり、上昇することもある。(ただ実際はeGFR30以下だと上昇することはかなり難しくなる)

尿たんぱく、微量アルブミンが両方とも陰性でも、腎機能低下が来る人もいる。
(IgA腎症、膠原病、高血圧などによるCKDでは尿たんぱく陰性で潜血がでたりする。)
道じゅねー

健康長寿のために手抜きできること、できないこと

平成27年10月1日に糸満市の真栄平公民館で話をさせて頂きました。 糖尿病に限らず、癌や骨折、認知症など、健康長寿を成功させるためにどんなことが大事なのか、逆にどのへんは気を抜いていいのか、そのようなことを話してきました。 疫学調査などから… 続く

平成27年10月1日に糸満市の真栄平公民館で話をさせて頂きました。
糖尿病に限らず、癌や骨折、認知症など、健康長寿を成功させるためにどんなことが大事なのか、逆にどのへんは気を抜いていいのか、そのようなことを話してきました。

疫学調査などから分かってきた、健康寿命のために気を付ける優先順位を、勉強も兼ねて、まとめてみました。すこし私見も入っていますが、だいたい他の専門家でもまとめるとこんな感じになると思います。

健康長寿のために気を付ける優先順位
①禁煙する→タバコをやめたくなる薬もあります。(西崎病院は禁煙外来あり)とにかく禁煙しましょう。1本でもダメ。
②塩を減らす
→動脈硬化を予防し、胃がんも減ります。
③適度な運動を。体を動かす社会活動を。 
→認知症の最大の予防法。怪我しにくい、頭をぶつけない運動が良い。
④肝炎ウイルス(B型、C型)を調べる。
→B型は予防注射があります。C型は治る病気になった。ウイルスがいたら、定期的な検査を。
⑤胃カメラの時、ピロリ菌がいたら除菌。
→胃が老化していて(萎縮性胃炎)ピロリ菌がいれば、ピロリ除菌で胃がんの確率はかなり下がります。
⑥血圧を下げる。安い血圧の薬で十分。
→個人で異なりますが、基本的にどの降圧薬でも、寿命はかなり延びます。
⑦糖尿病では、まずメトホルミンという薬を考える(医者と相談して)。
⑧悪玉コレステロール(LDL)が高い時は、医者に相談。家族歴などで引っかかれば薬を飲む。
→スタチン類という薬が比較的効果が良い。
⑨検便は55歳ごろから80歳くらいまでは毎年2回。
→引っかかったら、大腸カメラを。大腸がん、胃がんは早期発見でほとんど治る。「手術できる体力があれば、検便する」
⑩(女性)マンモグラフィを40歳ごろから。2年に1回。乳がんの家系の人は相談を(超音波を)。
⑪(女性)20~65歳位までは子宮頸がん検診を。2年に1回は受ける。HPVウイルスチェックもよい。
⑫やせすぎない、太りすぎない。
⑬飲酒は程よく。→飲むな、ではない。飲み過ぎるな。
⑭野菜を多く食べる。
⑮コーヒー、緑茶を飲む。
⑯熱い食品は冷まして。→食道がんの危険を下げます。
⑰睡眠不足を避ける
→適切な時間は人それぞれ。年取ると睡眠は短くなる。睡眠薬、安定剤は寿命を縮めるのでなるべく飲まない!
⑱自分の家系、体質を把握する。→がん家系、脳卒中家系などを知っておくと対策が取りやすい(対策出来ないものは運命)。
⑲健康じゃなくなった時の生き方(延命治療など)家族や周囲に話したり、書いておく。

番外
・自力で生活できない位に弱ってきたら、インフルエンザ+肺炎球菌ワクチンを。(両方打つことが大事)
・(特に女性)更年期を過ぎたら、5年に1度は骨密度チェックを。

糖尿病専門医の話ということで、皆様糖尿病の話だけすると思っていたようですが、むしろそれ以外の話をして好評でした。

看護部勉強会

去る9月25日に看護部勉強会を行いました。 平成27年度 第6回 看護部勉強会 日時:9月25日(金) テーマ:持続皮下点滴について 講師:山城武司先生 当院や関連施設では、圧倒的に高齢者の患者さんが多く 点滴の確保が困難な方や、管理が難し… 続く

去る9月25日に看護部勉強会を行いました。

平成27年度 第6回 看護部勉強会
日時:9月25日(金)
テーマ:持続皮下点滴について
講師:山城武司先生

当院や関連施設では、圧倒的に高齢者の患者さんが多く
点滴の確保が困難な方や、管理が難しい方が多くいらっしゃいます。昨年より、持続皮下点滴可の指示を度々見るようになりましたが、実際に経験のあるスタッフが少なく、数名がかりで末梢ラインを確保している場面が多くありました。
今回の勉強会では、スライドによる説明の他に実際に先生による皮下点滴の実演も行いました。
患者さんの苦痛や負担を減らすため、試みたいとの感想が多くあり、今後の当院での普及が期待されます。
質疑応答も活発に行われ、有意義な勉強会となりました。
参加・協力頂いた皆様ありがとうございました。(教育委員)









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